断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「よぉ、ハナコ」

 ろ、ロレンツォ!
 と、リュシアン様もいるし。
 危ない危ない、いまのゲームの会話、ふたりに聞かれるところだったよ。

「ロレンツォ様、この度はご卒業おめでとうございます」
「ああ、これでようやく人質卒業だ。それにしてもハナコ、思ったより元気そうだな」
「かっかっか、若者の回復力は目を見張るものがありますのぅ」

 わたしが大使に撃たれたってこともあり、イタリーノ旅行をドタキャンしたことは特に問題にはならなかったんだ。
 リュシアン様なんかは、むしろ笑って許してくれたって感じ。
 ロレンツォが文句を言ってこなかったのは、ちょっと意外だったけど。

「先生、先日はお見舞いの品をありがとうございました」
「本当は直接見舞いに行くつもりでおりましたがのう。シュン王子に止められてしまいましてな」

 これも嫉妬のなせる技ですかの、なんてリュシアン様は笑ってる。

「ハナコは留年したそうだな」
「ええ、成り行きで。好きでそうなったわけはありませんけれど」
「まぁそう言うな。今度は弟がフランク学園に入学する。俺の代わりに可愛がってやってくれ」

 ロレンツォの弟だったら、何気に美少年なんじゃない?
 どんな子か会えるのがちょっとたのしみかも。

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