断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「そう言うことでしたら、懇意(こんい)にして差し上げましてよ」
「ああ、頼む。俺はイタリーノでやることが山ほどある。シュンなどに負けていられないからな」

 先日のテロ騒ぎは、イタリーノ国のマフィアが裏で暗躍(あんやく)してたらしくて。
 本国に戻ったあとロレンツォは、王子としてそいつらと戦うことを決めてるみたい。

「で、だ。ハナコ、まだイタリーノに来る気が残っているなら、俺はいつでも待っているからな」
「よろしいんですの?」
「もちろんだ。観光でも留学でも、気が向いたらいつでも言ってくれ」
「ダメだ……!」
「しゅ、シュン様!?」

 いきなり背後に現れた山田。
 そのままぎゅっと抱き寄せられて。

「ダメだ、ハナコ。イタリーノへ行くなど、そんな危険な真似はさせられない」
「危険だなんて。冬にリュシアン様がイタリーノに行かれて、安全面は確認済みでございますでしょう?」
「それでもダメだ! ハナコが目の届かない遠くへ行くなど、わたしの気が狂いそうだ……!」
「ちっ、最後まで邪魔をしやがって」
「かっかっか、青春まっさかりじゃのう」

 あきれ顔のロレンツォと、ニコニコ笑ってるリュシアン様を置いたまま、山田とわたしは一瞬でどこかへ転移した。
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