断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
第12話 ヒロインとバトってみた
ハッとして立ち止まった。
生徒たちの波の向こうに山田の瓶底眼鏡が見えた。
しかもその腕にはユイナがぶら下がってるし。
「ハナコ様、どうかなさいましたか?」
「いいえ、なんでもないわ」
急に引き返すのもマズいかな。
今は移動教室に向かう途中だから、取り巻き令嬢たちに変に思われてしまうかも。
それに公爵令嬢ハナコ・モッリとして、逃げ隠れするなんてちょっとプライドが許さない。
未希からは山田をはじめ、生徒会のメンバーには近づくなって言われてるんだけどさ。
「ごきげんよう、シュン様」
「おおハナコ! 体調はもう問題ないか?」
「ええ、おかげ様ですっかり良くなりましたわ」
美しい所作で山田に礼を取った。
ハナコの記憶は残ってるから、こういったことはすっと体が動いてくれるんだよね。
「そうか、それはよろこばしいことだ。週末にハナコに会いに行けなくなるのは少々残念だが……」
「まぁ、シュン様ったらご冗談を」
おほほほほ、とかぶせ気味に山田のセリフをさえぎった。
毎週見舞いに来てたこと、勝手にみんなにバラしてんじゃねぇよ。
「シュン王子ぃ。そろそろ行かないとぉ次の授業に遅れちゃいますよぉ?」
生徒たちの波の向こうに山田の瓶底眼鏡が見えた。
しかもその腕にはユイナがぶら下がってるし。
「ハナコ様、どうかなさいましたか?」
「いいえ、なんでもないわ」
急に引き返すのもマズいかな。
今は移動教室に向かう途中だから、取り巻き令嬢たちに変に思われてしまうかも。
それに公爵令嬢ハナコ・モッリとして、逃げ隠れするなんてちょっとプライドが許さない。
未希からは山田をはじめ、生徒会のメンバーには近づくなって言われてるんだけどさ。
「ごきげんよう、シュン様」
「おおハナコ! 体調はもう問題ないか?」
「ええ、おかげ様ですっかり良くなりましたわ」
美しい所作で山田に礼を取った。
ハナコの記憶は残ってるから、こういったことはすっと体が動いてくれるんだよね。
「そうか、それはよろこばしいことだ。週末にハナコに会いに行けなくなるのは少々残念だが……」
「まぁ、シュン様ったらご冗談を」
おほほほほ、とかぶせ気味に山田のセリフをさえぎった。
毎週見舞いに来てたこと、勝手にみんなにバラしてんじゃねぇよ。
「シュン王子ぃ。そろそろ行かないとぉ次の授業に遅れちゃいますよぉ?」