断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ハナコのためならいくらでも時間を作る。何も心配するな」
「そのようなわけには……」

 ちょっと、ダンジュウロウ君なんとかしてよ。副会長は生徒会長の補佐役でしょ?

 そんな感じに目線だけで助けを求めたら、なんか邪魔者を見る目つきを返されたんですけど。

 やだ、あからさまに大きなため息ついちゃったりなんかして。
 ダンジュウロウ、感じわるっ。

「仕方がありませんね。今日のところはハナコ嬢の付き添いは俺が引き受けましょう」

 なによその言い方。犬の世話頼まれたみたいにさ。
 お前なんか桃太郎のお供で十分じゃ。

「王子は早くお戻りください」
「む、そうか。くれぐれもハナコを頼んだぞ」

 数歩進んでは山田が振り返るので、仕方ないからそのたびに手を振り返した。
 まるでだるまさんが転んだの逆バージョン。

「では行こうか、ハナコ嬢」
「お付き合いくださらなくても結構よ。シュン様にはよくしてもらったと伝えておきますから」
「いや、王子との約束だ」

 そういや、ダンジュウロウって優等生キャラだったっけ。追い払えないならさっさと用事を済ませるしかないか。

 攻略対象と一緒だったなんて知れたら、また未希にどやされるんだろうなぁ。
 はぁ、クワバラクワバラ。
 どうか大きな雷が落ちませんように。

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