断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
(仕方ない、頑張って背伸びするか)

 うぬっ、指先には引っかかるのに、ぴっちり詰まってるから上手く引き出せないぞ。
 うぬぬぬぬってやってたら、後ろからひょいと本が引き出された。

「これか?」
「ダンジュウロウ様、ありがとうございます」

 お、気が利くね。

 さっそく中身を確認っと。あ、これ当たりかも。挿絵もあらすじもわたし好み。

 学園の図書館とは言え、ありとあらゆるジャンルの本が置いてあるんだ。

 で、今選んだのはいわゆるロマンス小説ってやつ。いつも週末用に数冊選んで、休日にゆっくり読むのが最近の過ごし方。

「ハナコ嬢でもそんな可愛らしいものを読むんだな」

 ん? いま鼻で笑ったな。やっぱ感じわるっ。

「わたくしが何を読もうとダンジュウロウ様には関係ありませんわ」
「いや、すまない。少し意外だったもので」

 意外ってどういう意味よ。まぁ、以前のハナコは本なんて興味なかったからね。

「そう言うダンジュウロウ様は、普段どのようなものをお読みになりますの?」

 何気に話を振ってみる。ちょうど違うジャンルも開拓してみたいって思ってたところ。

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