断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 さっきから呼び捨てとかお前だとか、不敬にもほどがあるわね。
 小さいころのノリのままでいるなんて、やっぱりお勉強はできないみたい。

 ま、学園の規律として「身分は関係なく平等に過ごすべし」っていうのがあるから、別に問題にするつもりはないんだけど。
 それでもほかの生徒たちは、忖度(そんたく)して礼儀をきちんと守ってるからねっ。

「関係あるから聞いてるんだろう? シュン王子を守るのが俺の役目だ」
「まぁ、まるでわたくしがシュン様に何かしているみたいな言いようね」

 むしろ何かされてるのはこっちの方だっつうの。お前の目は節穴か。

「いつも王子の邪魔ばかりしてるじゃないか」
「邪魔? わたくしが一体どんな邪魔をしたのか、具体的に言ってごらんなさいな」
「それは……ハナコがいると王子が王子でなくなる。だからだ」
「言ってる意味が分からないんだけど」
「ハナコを見かけるたびに、王子は一目散にお前のところに行くだろうが。知らないとは言わせないぞ」

 そりゃ迷惑なくらい知ってるけど。
 ってか、それはわたしのせいか?

「わたくしはシュン様の行動をどうこうできる立場ではないわ」
「そ、そんなこと当たり前だろうっ。ハナコがいると生徒会長としての王子の仕事が滞ると言いたかったんだ」
「だったらなおさらわたくしに責任を押し付けないで。忠臣を名乗るなら、あなたが自分で苦言を呈すればいいでしょう?」

 ほんと、知らんがなって感じ。生徒会のことは生徒会で解決してくれ。

< 73 / 413 >

この作品をシェア

pagetop