断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「一体いつの話よ。わたくしはよく覚えていないし、おかしな言いがかりはやめて」
「そんなこと言って、また俺をコケにする気なんだろう?」
「しないわよ。それに誰にだって苦手なものくらいあるでしょう?」

 何? ずっとこのこと根に持ってたの? 逆恨みってコワイわぁ。

 なんて思ってたら、疑り深そうだったマサトの顔が、ちょっと戸惑った感じに変わってる。

「ほんとに誰にも言わないか?」
「言わないわ。そんなことしてわたしに何の得があるのよ?」

 面倒くさくなって、わたしはマサトを置いて保健室を出た。

 で、例のごとく、今日あった出来事を未希に報告したんだけど。
 お願い、無言のまま長いため息つかないでっ。

「はぁ……ケンタは家族だからまぁ仕方ないにしてもさ」
「保健医はヨボじいだったし問題ないよねっ。マサトもね、なんか絡まれたけど、ちゃんと誤解も解いて来たからっ」
「そのてんとう虫……」
「え、ちょっと待って。まさかあれもヒロインイベントとか言わないよね?」
「そのまさかよ。そんな昔から伏線仕込んでたなんて、悪役令嬢が聞いてあきれるわ」

 その悪役令嬢の座を返上するために、華子がんばってるんですけどっ。

「保健室、他にもイベント多いから気をつけて」
「も、二度と近づきませんっ」

 っていうか、てんとう虫、幸運のしるしじゃなかったんか~い。
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