断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第16話 逆ハー? 何ソレおいしいの?

「あ、あの、ハナコお姉様。頑張って焼いたんです。よかったらコレっ」
「あら、ありがとう。お茶の時間にでもいただくわ」
「きゃっ、ありがとうございますっ」

 可愛らしくラッピングされた焼き菓子を受け取ると、その女生徒は頬を染めて走り去っていった。

 最近、素行をよくしているせいか、下級生からも声を掛けられることが多くて。
 しめしめ、いい兆候。
 このまま悪役令嬢のイメージが消えてくれるといいんだけど。

 今いるのは中庭のベンチ。
 本読みながら未希が来るのを待ってるところ。
 単独行動は危険ってことで、放課後に毎日落ち合うようにしてるんだ。

 ジュリエッタはモブのわりに優秀で、魔法学とか特別カリキュラムが多いんだよね。だから授業もずっと一緒ってわけにはいかなくて。
 なるべくひとりきりにならないよう、こうして人目の多いところで待つようにしてる。

 さっさと帰っちゃうのが一番なんだろうけど、それだと情報交換ができないんだよね。
 昼間はほかの取り巻き令嬢たちがいて、ゲームの話なんてできないしさ。

(それに未希ってば、休日は忙しいって時間取ってくれないし……)

 どうせ読むか書くかしてるんだ。うう、薄い本より薄っぺらい友情だよ。

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