断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 って言ってる間に生徒会室に着いちゃったし。
 学習能力ないってまた未希にののしられるっ。
 悲しいかな、そんな未来しか見えないんですけど!

「ハナコ嬢、いいところに。この前貸した本はどうだったかと聞きに行こうと思ってたところだ」
「ダンジュウロウ様、今まだ三章の途中ですわ。ちょっと考察に迷うところがあって……」
「あそこか。ああ、分かる。あれはだな、次の章の」
「ちょっと待って! ネタバレはやめてもらえないかしら? 読む楽しみを奪わないで」
「これは失礼。好きなものについてハナコ嬢と語り合えるのがうれしくてつい、な」

 そこんとこはわたしも同意するけど、頬を染めて照れくさそうに言わないでよ。
 これは純粋な読書仲間、けっっっして、ゲームのフラグなどではないっ。

「なー小難しい話はやめて、菓子食おーぜ、菓子」
「いや、ならば第一章と第二章についての考察を」
「菓子ぃ」

 やめてっ、なんかもお、カオスっ!!

「ハナコ、めずらしいな、生徒会室にいるとは」
「シュン様……」

 ここで真打登場ですか。
 ってか、白々しい。このブローチでわたしの行動は筒抜けなくせに。

 おや? でもなんかマサトとダンジュウロウが急におとなしくなったぞ?

< 86 / 413 >

この作品をシェア

pagetop