断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「あの、シュン様?」
「ああ、いいな、ハナコのいい匂いがする」

 ぎゃっ、あからさまに匂いをかぐなっ、手を握るな、腰に手を回すなっ。

 そこのふたり、さっきの勢いはどこ行った?
 黙って見てないで、早く山田をどうにかしろっつうの!

「シュン王子、そろそろ生徒会の執務を……」
「そうそう王子、明日までに片付けないとって言ってましたよね?」
「せっかくハナコから会いに来てくれたんだ。あと少しくらいいいだろう?」

 誰が瓶底眼鏡に自分から会いに来るか。都合よく脳内変換すなっ。
 もうふたりとも、そこで引かないでよっ。
 未希、早く来て!

「やだぁ、どうしてココに部外者が紛れ込んでるんですかぁ?」

 ユイナ! いいところにっ。

「おほほほ、彼女の言う通りですわ。これ以上シュン様のお邪魔をするわけには参りませんもの。わたくし今すぐ……」
「なぁ、ユイナ。ハナコのために茶ぁ入れてくれよ」
「な、なんでわたしが」

 げ、空気読め、マサトっ。

「いいだろ? ユイナ、書類仕事見るとすぐどこかに消えんじゃん? 少しは働いてもらわねぇと」
「そ、それはユイナ、頭痛持ちだから……。そんなふうに言うなんて、マサトせんぱいひどいですぅっ」

 ハイハイ、得意のウソ泣き頂きました!
 オトコってコレにコロっと騙されんのよね。

< 87 / 413 >

この作品をシェア

pagetop