断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「んーでも、華子の言ってることも一理あんのよね」
「でしょ?」
「あんたが思ってる理由とは違うケドね」

 違う理由? なのに一理あるとはこれ如何(いか)に?

「わたしと華子と長谷川ゆいな。この三人だけが、この世界でゲームの記憶があるわけでしょう?」
「うん、そだね。でもそれがどうかしたの?」
「わたしたちの共通点って言ったら、何だと思う?」
「この乙女ゲームをやったことがある……って感じ?」
「そう、それなのよ」

 お、今夜の未希、なんか名探偵っぽいな。するとわたしはワトソン君的存在か?
 お互いメルヘンチックなふりふりパジャマ着てるけどね。

「もしそれが正解なら……」
「正解なら?」
「その条件に当てはまる人間がもうひとりだけいる」

 なんと。

「それって一体……」
「ああ、やっぱり。ふたりとも記憶あったんだ」
「け、ケンタっ!?」

 いきなりノックもせずにパジャマパーティーに乗り込むなんて。言ってくれたらケンタの分も可愛いパジャマ用意したのに。
 ってか、そうじゃないっ。

「そうおっしゃるケンタ様……いいえ、健太も、やっぱり記憶持ちってことね?」
「うん、未希()ぇ、久しぶり」

 ふおっ、ケンタってば、中の人、健太だったん?
 ってか、姉ちゃん絶賛混乱中っ!

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