断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「で、健太はいつから目覚めてたわけ?」
「わりと物心ついたころから」
「そんな初めからなんだ……」
「でも姉ちゃんはさ、顔はそっくりでも中身はまんまゲームの悪役令嬢だったし。今までは断罪されないよう、ハラハラ見守ってた感じ」
「健太……」

 姉思いの弟で姉ちゃんうれしいよ。

「あーソレ、分かる。いくらゲームのキャラって言っても、身内と同じ顔が飛んじゃうのはね~」
「だろ? なんか毎晩夢に見そうだし、さすがにソレはきっついよな~」

 って、自分の精神衛生のためかいっ。

「けどさ、ここんトコ急にハナコ姉上の言動がおかしくなってきてさ」
「あ、通学中に馬車降りた件とか?」
「そう、ハナコ姉上が人助けなんてまずあり得ないし。そこに来て未希()ぇそっくりの令嬢が頻繁に家に出入りするようになっただろ? これはもしかしたら……って」
「そんでうちらの動向を見張ってたってわけか」
「未希姉ぇ、正解」

 おお、未希も健太も洞察力すごいな。

「にしても姉ちゃん、どうやって記憶戻ったの?」
「階段でユイナ・ハセガー助けようとしてさ。そんときに頭打ったかなんかしたみたい」

 とりあえずこれまであったことを、かいつまんで説明した。

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