断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「そっか。ユイナのヤツ、そんなことを……」

 呟いたケンタに、わたしと未希は目を見合わせた。

 ケンタは攻略対象のひとりだ。
 やっぱりユイナのこと、好きになったりしちゃってるんだろうか。

 うう、姉ちゃんとしては聞きづらい。好きって言われても、相手があのユイナだと思うとものすごく複雑だ。

 そんなこと考えてたら先に未希が口を開いた。

「ね、健太。ヒロインのユイナって攻略対象的にはどんな存在?」
「どんな、か。正直、別にって感じなんだけど」

 別に!
 そっか、そっか、姉ちゃんひと安心だよ。

「たださ……」

 ただ? なにその意味深な感じ。

「時々、自分が自分じゃないみたいになるときがあって。知らないうちに、何か言ったりやったりしてることがあるんだ」
「もしかしてそれって……」
「ゲームの強制力ってやつ?」
「俺もそうだと思ってる。多分ゲームのイベントに組み込まれて、強制的に動かされてるんじゃないかな」
「やっぱあったか、強制力」

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