運命の人、お待ちしています！

「夢咲、真尋に勝てなかった!」
「私に任せろ、タカちゃんっ」
「自己紹介にそんな力入れんでも」
「ゴン、第一印象は大事なんだぞ」
「昨日からずっとふざけてるからタカがバカなのはもうクラスに知れ渡ってると思う」
「なっ⁉︎ ゴン、親友にひどくないか⁉︎」
「河本くん、静かにして!」
「だって先生、ゴンがぁ!」

ゴンさんは相変わらず冷静でタカちゃんと良いコンビだなぁ。ゴンさんも私と和泉の共通の友人だ。

「じゃあ次は……星詠くん」
「は、はい」

星詠くんの番が回ってくると、私は星詠くんに目を向ける。

一見大人しそうな眼鏡男子だなぁ。

占いが上手い、和泉の次くらいに頭がいいしか情報無いけど。

「星詠祈です。よ、よろしくお願いします……」

声小さいっ!

こういう人前で話す事が苦手な人なのかな。

「星詠くん、もうちょっと何か無いかな?」

先生、コミュ症な子にそれはだめっ!

「う、占いが得意です。あとお祓いも出来ます。少しは役に立てると思います……」

どんどん声が小さくなってる!

私は席近いから何とか聞き取れるけど!

「声小さくねー?」
「もう一回お願いしまーす!」
「てか、お祓いってこっわ。関わったらやばい奴なんじゃね?」

男子達はそんな星詠くんをからかう。

一生懸命しゃべってるのになんなの!

「ちょっと! 真剣に自己紹介してるんだから水差すのやめなよ!」

私はからかう男子達を睨み付ける。

「なんだよ、夢咲。まさか星詠狙いー?」
「実はデキてるとか?」
「はぁ? 違うしっ! てか、占いができてお祓いが出来る星詠くんと皆から頼られる和泉がいるクラスって超心強いじゃん! そういう人の為に何かできる人はマジ大事にすべきだよ!」
「何熱弁してんだよ、夢咲ーっ」
「だるっ」
「とにかく頑張ってる人をバカにする奴は最低って事!」
「あ、あいきゃん。落ち着いて!」

本当許せないーっ!