運命の人、お待ちしています!
「俺は星詠の自己紹介好きだって思ったけど? 占いも当たるって中等部時代から有名だしさ。お前、彼女と上手くいって無いって言ってなかった?」

だけど、私がさらにぶちキレる前に和泉が入ってきた。

「ちょっ! みんなの前で言うなしっ」
「彼女と上手く行かない理由、今の堺見てたらよく分かっちゃったかな」
「わ、悪かったよ!」
「ほら、島もごめんなさいはー?」
「ご、ごめんなさい」
「はい、よく出来ました」

和泉のおかげでギスギスした空気は爽やかなものに変わった。

やっぱり和泉はすごい奴だなぁ。

「じゃあ、夢咲さんお願い」
「はい! 夢咲愛花ですっ! 名前の通り夢いっぱい愛いっぱいをモットーに毎日青春謳歌してやる気満々なんでよろしく! 夢咲愛花、青春謳歌ー! なんつってー!」

私は笑顔で全力で自己紹介をする。

だけど、みんなキョトンとした顔してる。

あ、すべったわ……。

「愛花、ドンマイ」
「頑張ってたよねー、あいきゃん!」
「和泉倒せなかったどころかタカちゃんと共倒れしたぁぁ!」
「てか、愛花って怖いもの知らずだよね」
「うちにはあんな自己紹介無理だー!」

休み時間になると、落ち込む私を真凜とココが励ましてくれた。

「あ、あの……夢咲さん」
「わっ! ほ、星詠くん……」

私が元気を取り戻そうと奮闘していると、星詠くんに突然話しかけられた。

「さっきはありがとうございます。自己紹介すごく緊張して上手くできなかったから助かりました」
「そ、そんな! 寧ろ変な空気にしちゃったし! 和泉に助けられてたから私より和泉にお礼を……」
「でも、夢咲さんの熱いお言葉に救われたのは事実ですから」
「そ、そっか。救われたなら良かった!」

和泉がオススメとか言うからちょっと意識しちゃうなぁ。

「あの、お礼をさせてください」
「お礼?」
「例えば、占いとか」
「でも、星詠くんの占いってすっごく当たるんでしょ⁉︎」
「そんな事……」
「当たらなきゃ噂になんかならないって! 火の無いところに煙は立たない的なー?」
「愛花、それ使い方間違ってるから」
「へ⁉︎」
「あいきゃん、それ悪い噂に対して使う意味だかんね」

うっ、バカ露呈しちゃった!
真凜はまだしも私と同じくらいアホだと思ってたココにまで指摘されるとはっ!

「てか、占ってもらいなよ? 愛花男運やばすぎるし」
「次は間違えたく無いって言ってたじゃん! あいきゃん!」

確かに占ってもらえば安心かもだけど。
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