運命の人、お待ちしています!
「和泉……さっきからおかしいよ」
「おかしいのはお前だろ。大体学校で一番腹が立つのは夢咲愛花、お前なんだよ」
「わ、私?」
「俺は恋愛対象として全然無いとか、俺に安心安全な男教えろとか……俺を散々コケにしやがって。こんなに全てを兼ね揃えた俺を一切見ようともせずによ。お前の目は節穴なのか?」
「い、和泉は完璧すぎるので!」
「だからクソみたいな連中としか付き合えねぇんだよ。断言してやる。お前はクソみたいな男としか一生付き合わない」

私が中学からずーっと見てきた和泉はずーっと仮の姿だった?

ずーっと同じクラスだったのに全く気づかなかった。

「ずーっと仮の姿で?」
「俺の本性に気づいてんのは星詠くらいだろうな。俺は自分が邪魔だと思った人間はたくさん排除してきたし、自分以外の人間はみんなバカだと思ってんだよ。残念だったな? みんなの理想の和泉くんはまやかしで」
「でも……今日ようやく本性明かせたんだよね? 私に」
「お前がいつまでもいつまでも俺に一切目を向けねぇからな。ずーっとずーっとお前に腹が立って腹が立って痺れを切らしたんだよ。察しろ! やたらお前だけ俺に馴れ馴れしいし、いつも変な奴に引っかかってハラハラさせるし、今日だって俺が自己紹介タイムで納めなかったらクラスの空気最悪だったんだぞ」

あれ、でも和泉の本性を知ってもかなりときめかないぞ?

クズ男にしか惹かれない私が!

「和泉はずーっと私が気に食わなかったんだよね?」
「ああ。腹が立ってたな、中1から今日まで毎日毎日。お前の事でずーっともやついてもやついて」
「でも、私の事は排除しなかったんだ?」
「は?」
「ずーっと隠してた本性も出してくれたわけだし、和泉の中で私は嫌いな奴じゃ無いって事だよね!」

脅されたりしてないし!
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