運命の人、お待ちしています！

「だーかーら、そのヘラヘラした顔やめろ! 苛立つんだよ! つーか、もっと俺の本性知ってがっかりしろよ!」
「大丈夫! 私のクズ男センサーに引っかからないから和泉はクズ男じゃないよ!」
「は? この期に及んでまだ俺にときめかないと?」
「びっくりはしたけどねー!」
「やっぱりお前が学校で一番大バカだな」
「ひっどい! いつもみたく夢咲は面白いなとか褒めてよ!」
「俺が面白いって言った時は相手をバカにしてる時だから」
「ちょっと! 和泉から面白いって言われて喜んでた私の気持ちはどうなる!」
「知るか!」

そっか、和泉はずーっとずーっと隠してきたんだなぁ。

周りからの評価を得るためとはいえ、並大抵の努力じゃ出来ない。

「やっと本性出せて良かったね。すっきりしたんじゃない?」
「お前がドがつく程のバカだと実感した」
「私は嬉しいよ! 和泉の人間らしいとこ見れて」
「は?」
「今迄の和泉は完璧すぎたから! なんか安心した! それに祈くんを薦めたのは本心でしょ?」
「何でそう思う?」
「だって和泉の本性を見抜いてる人だし」
「たまたまだ。適当に言っただけだ」
「これから和泉が仮の姿に疲れたら私に曝け出して良いからね!」
「マジで引かないのな」
「だって昨日助けられたのは事実だし! それに、今の和泉のが私は好きだよ!」

クズ男センサーに引っかからないなら和泉は本当にやばい奴ではないはず!

だって一見優しそうだけど付き合ってみたらモラハラな彼氏がいた私だよ⁉︎

実績があるんだから!

「やっぱお前すげぇ腹立つ」
「勇気を出して本性出してくれてありがとう」
「それやめろ!」
「でも、和泉さ……私にときめいて欲しくて仕方なかったんだね!」
「はぁ⁉︎」
「ときめかれない方が良かったんだよ? クズ男じゃ無いって証になるし」
「それもそうか。いや、だめだ。やっぱり気に食わねぇ」
「何でよ!」

良い事じゃんか!