運命の人、お待ちしています!
「ですが……」
「祈くんも行こうよ! 親交を深めちゃおう会!」
「よ、陽キャじゃない僕が行ったら浮くのでは?」
「無理にとは言わないけど……私は仲良くなりたいから! 祈くんと!」

それに祈くんを気味悪がる人を減らせた方が良いし。
こんなに優しくて良い子なんだもん。
みんなに教えたい!

「では……参加させて頂きます」
「本当⁉︎ 嬉しい! ありがとう、祈くんっ」
「じゃあ、ホッシーも参加に丸しとくな」
「は、はい」
「ホッシー、放課後になったら皆で一緒にカラオケ向かうから」
「も、門限までには帰らなければなりませんが」
「ああ、入退場自由だから。そんな気負わずにな?」

和泉は祈くんの肩を叩きながら言った。

「は、はい」
「ホッシーの歌、聴くのすげー楽しみにしてる」
「み、皆さん歌うんです?」
「そりゃあカラオケだし。最低一曲は歌うよな?」
「そうそう! 自己紹介にもなるし! 途中から私とタカちゃんばっか歌う事になりそうだけど」
「二人ともすげぇ盛り上げるもんな、カラオケで」
「盛り上げてなんぼだよ! カラオケは!」

みんなでカラオケ行くの大好きなんだよね!

「盛り上げないと……」
「祈くん?」
「が、頑張ります!」
「そんな戦地に行くみたいな顔しないでも! 気楽で良いからね? 祈くん」

祈くんの事、やっぱり強引に誘っちゃったかな。

「あいきゃん、お弁当箱持って何うろうろしてんの?」
「祈くん見なかった?」
「さっき出て行ったよー? なんか暗い顔して」
「えっ! 探してくるっ」

やっぱりカラオケ嫌なら断って良いって言わないと!

祈くん困った顔してたし!

私のおせっかいが祈くんには重いかも⁉︎

「さっきの星詠やばい顔してたよね」
「屋上立ち入り禁止なのに行くとかさー! なんか怪しい儀式でもするつもりじゃん?」

廊下で祈くんの話をする女子達とすれ違った。

お、屋上ーっ⁉︎
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