運命の人、お待ちしています!
「てか、私は良いんだ」
「ああ、ちょうどいい枕だったな」
「人の肩を枕扱いしないでもらえますかー?」
「夢咲はなんか平気みたいだ。夢咲だしな」
「どういう意味⁉︎」

やっぱり私って和泉から雑に扱われてる⁉︎

「よく寝れたわ」
「あんなに大声で声かけても起きなかったもんね」
「夢咲ってやっぱり騙されやすい奴だよな」
「は?」
「必死に起こそうとする姿、無様だったな」
「お、起きてたわけ⁉︎」
「早く起きないとこわーい狼に食べられちゃいまちゅよーって」
「めっちゃ起きてんじゃん!」

だったらさっさと起きろし!

「はぁ、笑い堪えんの大変だった」
「私の苦労は一体……」
「俺の演技力なめんな?」
「学校中の奴らに和泉の本性バラしてやりたいっ」
「誰も信じねぇだろ」
「私は今の和泉のが好きだけどねっ」
「え……」
「だから、自信持って私の前では腹黒くそ男でいていいよー?」
「ひでぇ言いよう」
「演じるのすごく疲れたらまた私の肩貸してあげる」

和泉が寄りかかれる場所になれてるって嬉しいし。

「じゃあ、俺も夢咲が男に飢えたら抱いてやる」
「和泉、やっぱり最低だなっ」
「お前と同じニュアンスで言ったんだが」
「全然違う! そこは膝枕してやるとかさ」
「俺の膝枕は一回百万だから」
「金取るんかい!」
「でも、夢咲なら五十万でいいか」
「どっちにしろ払えん! ふざけんな」
「やっぱりお前面白い奴だな」
「またバカ呼ばわり……」

でも、和泉が本性を現してからは前よりも距離がぐっと縮まったというかもっとポンポン言いやすくなったな。
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