運命の人、お待ちしています！

「じゃあ、ここで大丈夫だから」
「ああ」
「てか、最近和泉とばっか帰ってるね」
「別に。たまたまだ」
「やっぱり和泉って良い奴だねっ」

本当の和泉は口が悪いし、結構毒あるけど良い奴である事は確かみたい。

「だからお前はすぐ男に騙されんだよ」
「核心つくなぁ、和泉は」
「でも、俺の事は信じても良いんじゃね? 夢咲がときめかないって事はまだまともな男って事だから」
「私の恋愛感情を基準にするなしっ」
「やっぱりお前は俺から離れなかったな」
「クズ耐性あるから!」
「本当にそれだけなのか?」
「えっ」
「夢咲の中で俺って特別じゃねぇの?」
「まあ、一番話しやすい男友達って意味では特別かな」
「本当に本当にそれだけ?」

和泉、顔近っ!

「い、和泉だってそうでしょ! 私には本性晒したし」
「夢咲はまだ俺を分かってねぇな」
「何?」
「もっと俺の事を見てみろよ」

急に真剣な顔で和泉が言うので戸惑う。

和泉にはドキドキしないんじゃなかったの?

「和泉はすぐ私をからかうんだから!」
「いい加減回りくどい事すんの疲れたからもうガンガン攻める」
「和泉……?」
「もっと俺を見ればいい」

そう言うと、和泉は突然私の唇を奪った。

「な、何するのっ」

突然、何⁉︎

驚いた私は和泉を突き飛ばしてしまった。

「いてぇな」
「わ、私の事からかいすぎだよ! 突然こんな事するなんて最低っ! 和泉なんか大っ嫌い!」
「おい、夢咲……」
「和泉からしたらキスは気軽に出来るものかもだけど、私は誰でもいいわけじゃないんだから!」

私は逃げるようにその場から走り去った。

和泉なんか和泉なんか地獄に落ちろ！

友達にあんな事いきなりするとか最低じゃん!

もう明日から和泉とは話してやらない!

何で和泉はあんな事いきなりしたんだろ！

イライラしてモヤモヤして涙が止まらなかった。

友達だからって何でもしていいわけじゃない。

あいつは一線を超えた。