運命の人、お待ちしています!
「おはよう、ココに真凜」
「うわ、あいきゃんクマやば!」
「大丈夫?」
「昨日よく眠れなくってさ!」

翌日、寝不足なまま私は学校へ。

「あ、和泉くんおはよう」
「おはようございます、和泉様ー」
「おはよう」

げっ! クソ和泉!

「あれ? あいきゃん、和泉くんとこ行かないの? いつも挨拶してたのに」
「い、いいのっ!」

和泉とは口聞かないんだから!

あいつが謝るまで私は許さないんだからねっ

「おはようございます、夢咲さん」
「あ、おはよう! 祈くん」

祈くんの顔を見ると、イラついてた心がちょっと穏やかになった。

「大丈夫ですか? クマが……」
「あまりよく眠れなくってさー。コンシーラーやらないとっ」
「和泉さんと……何かあったんでしょうか?」

祈くんは小声で聞いてきた。

「ケンカ……っていうか」
「ケンカするくらいお二人は仲がよろしいんですね」
「いやいや! ケンカだよ?」
「ケンカってお互いの気持ちをぶつけないと出来ないですから信頼し合ってる証かと」

まあ、確かに長い付き合いの真凜やココともケンカはないし。

あんなはっきり言い合えるのは和泉くらい?

いやいや、許可なくキスする奴なんかもう友達じゃない!

「でも私はあいつを許す気は無くて」
「そんなに大げんかを?」
「あいつが悪いの! 私を怒らせた」
「そうなんですね。ですから、和泉さんご様子が」
「は?」
「何だか元気が無いなって」
「あんなタカちゃん達とヘラヘラ笑ってるのに?」
「何となく分かるんです」

祈くんが言うなら間違いないんだろうけど。

「私はあいつが謝るまで許さないもん」
「早く仲直り出来ると良いですね」
「仲直り出来るのかなぁ」

でも今まであんな事しなかった和泉が急にキスしてきたのは一体何なんだろう?
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