運命の人、お待ちしています!
「うげっ」
「どうしたー? あいきゃん」
「元カレ。まだメッセ送ってくる」
「ブロックしたんじゃないの?」
「うん。それがアドレス変えてガンガン」
「うわ、悪質ー!」
「別れても別れなくても粘着されるんだね」
「こりゃあすぐに彼氏作るしかないよね」
「ココ、合コン……」
「無理ー! 彼氏が悲しむし!」
「ココはいいな。彼氏と上手く行ってて」
「あいきゃんの場合、上手く行く彼氏が見つからないからね」
「そうだよ! 私と上手く行く彼氏が空から降ってくればなぁ!」
「どゆ事⁉︎ 」

私のセンサー、クズ男に引っかからないよう誰か修理してくれないかな。

それか誰かが代わりに素敵な人を私に選んでくれたらな。

「あれ、夢咲って坂木と別れたのか?」
「あ、和泉!」
「い、い、和泉くん! じゃあ、あいきゃん! うち、彼氏と約束あるからまたー!」

ココ、逃げちゃった。
真凜も始業式終わってとっとと部活向かったし、元カレ待ち伏せしてたらどうしよ。

「実はさ、春休みにお別れしまして」
「えっ。そうだったのか」
「そ、束縛が激しくってさー! 私が疲れて」
「大丈夫? 辛くないか?」
「大丈夫! 次、次ーっ!」
「夢咲なら大丈夫。頑張れ」
「あ、和泉の事は好きにならないから安心してね!」
「本当に夢咲の中で俺は無し?」
「えっ?」
「俺、夢咲となら付き合っても良いかなって思ってるけど」

和泉はにやりと笑いながら言った。

「やだなぁ。学園の王子様が何言ってんだかー! 私が振られて辛いから励ましてくれてんだよね! ありがとう!」
「ちっ」
「ん? 今舌打ちが聞こえたような」
「気のせいじゃないか?」
「そうだよね!」
「次は良い奴が見つかると良いな」
「うん! 頑張るよ! ココに大学生紹介してもらおっかなぁ。彼氏、大学生だしっ」
「夢咲、さっきから通知音やばいけど大丈夫?」
「あ、あはは。大丈夫、大丈……」

元カレから昇降口で待ってるってメッセージ来たんだけど、どうしよう。

「和泉くんまた明日ねーっ」
「あ、後でメッセージ送るね!」
「ああ、うん。また明日」

和泉についてきてもらう?

いや、和泉と付き合ってるという噂が万が一流れたら和泉に迷惑が!

あと、ダメンズとばかり付き合う私と付き合うという噂が流れたら和泉のイメージが!
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