運命の人、お待ちしています！

「これでもう大丈夫。安心していいから」
「えっ。あ、うん」
「もう絶対夢咲には関わらないと思うよ」
「な、何を言ったの?」
「ちょっとした話術だよ。俺、人を説得するのは得意だから」
「さすが議員の息子」
「あ、でも夢咲はまた変な奴に引っかかりそうだから何かあったらいつでも相談して」
「フラグを立てないで! 次は絶対大丈夫な恋をしてやるんだから!」
「じゃあ俺にする?」
「だからからかうんじゃないよ! 他の女子にはそういう事言わないくせにさー」
「夢咲だから言えるんだよ」

つまり和泉の中で私は女子にカウントされてないってやつ?

「分かってますよー。女子扱いしてないって事でしょー?」
「そうじゃないって言ったら、夢咲はどうする?」
「な、な、無いから!」

他の女子みんなは和泉を崇め奉る存在として扱うけど、みんながみんな和泉にそんな態度だと辛いだろうから私は和泉にとって気楽に接せる女子でありたいなー。

王子様がずっと王子様でいるのはきっと辛い。

それに私は和泉に片想いした事ないから安全だしー!

「俺、夢咲となら楽しく付き合えると思ったんだけどな」

ま、マジで言ってる?

「和泉って付き合い長いけど未だに読めない奴だ」
「読めないんじゃない。読ませないだけだよ」
「いいなぁ。私は何でも丸出しだからな、常に」
「こら。女の子が丸出しってワードは禁句」
「そうだった! そういうとこから直してかないと!」
「まあ、そこが夢咲らしくて良いんだろうけど。俺は嫌いじゃないよ」
「またキラキラ笑顔。この笑顔に固まる女子って何百万人いるんだか」
「そんなにはいないって」
「いやいる! 和泉はメデューサの末裔か何か？」
「うーん。メデューサって例え何か嫌だな」
「でもみんな石にしちゃうし!」
「夢咲には効かないじゃん」
「私は変人だから!」
「自分で言うんだ、それ」

でも、和泉に恋をしないって事はやっぱり和泉はクズ男じゃ無いって事かぁ。