運命の人、お待ちしています!

★ 和泉真尋というスペシャル装備を身につける事にした

「おはよう、あいきゃん!」
「ギリギリじゃない」
「いやぁ、今日は寝坊しちゃって」

新学期二日目、ギリギリセーフで教室に着いた。

というか春休みに元カレと別れてからやたらメッセージ来てあんま寝付けてなかったんだ。

久しぶりに安眠出来た気がする!

「夢咲ーっ」
「あ、和泉! おはよう!」

和泉に呼ばれると、私は和泉の元へ。

「昨日あれから大丈夫だった?」

和泉は小声で私に聞いた。

「大丈夫、大丈夫! メッセ来なくなったし、久しぶりに超寝た!」
「うん、なんだか夢咲すっきりした顔してる」
「和泉のおかげだよ! ありがとう!」
「でも、夢咲はすぐ変な男に引っかかるから気をつける事!」
「分かってるってば! 次は慎重になるし!」
「次ねぇ」
「そうだ。和泉にお願いしたかったんだ」
「何?」
「和泉って学校のみんなの事大抵把握してるでしょ? 人を見る目も持ってる気がするの」

議員の息子に生まれたからには小さな頃から社交的だろうし。

「まあ、人を見る目には自信ある方かな」
「じゃあさ、この人は私と付き合っても大丈夫って人! 和泉が教えてよ! 」
「必死だな」
「次は間違えられないのっ。和泉はいつも間違わない道を選ぶからさ。和泉の目を使わせて頂きたい! お礼するし!」
「どうしよっかな」
「もう自分の目は信用出来ないって分かったから」
「そんなに恋愛がしたいの?」
「したい! いつもイチャイチャしてる両親を見せつけられてるからね。だから、お願いします!」

もう頼れるのは神様和泉様しか!

「じゃあ気になる人いたらメッセージで送って。で、俺が判断するってのは? 全校生徒の中から探すのは大変だし」
「それもそうか!」
「まだ一年生の情報もそんな持ってないし」
「あ、出来ればタメか年上だから大丈夫」
「年下無しなのか」

和泉にまた助けを求めてしまった。
うちのクラスに和泉がいて良かった!

「ちょっと、愛花。和泉くんと距離縮まってない?」
「ついに難攻不落の和泉様狙い⁉︎ あいきゃん」
「ち、違うから! 和泉に頼み事しただけ! 助けていずえもーんって頼っただけ」
「い、いずえもん?」

ココ達の元へ戻ると二人からは和泉との仲を少し疑われたけど、私の中では和泉は神様とかヒーローとかそんな類の人だしな。

昨日和泉が告白してきたのもノリだろうし。

私は和泉の中で無しだし、和泉の中でも私は無しだと思う。

スーパーレアな装備を手にしたような気持ち。
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