噛んで、DESIRE
華を噛む
猛毒すぎる
☽
そんなこんなで1週間が経った。
その間に、吾妻くんとの同居生活はどんどん本格的になったと思う。
彼は徐々に、隣の叔父さんの家からわたしの家に私物を持ち込んでいて、いつのまにか吾妻くんの歯ブラシが当たり前のように洗面台に置かれていた。
たまに叔父さんの家に帰る夜もあり、吾妻くんはかなり野良猫みたいな人だなと感じている。
今朝も起きたら彼はいなくて、どうやらもう学校に行ってしまったらしい。
ちなみに吾妻くんは、わたしの家に入り浸るようになってから、毎日朝から学校に来ている。
休む日も遅刻する日も、まったくない。
『吾妻くん、最近は毎日学校来てますね』
昨日、いっしょに夜ごはんを食べているときにそう聞いたら、彼はこう言っていた。
『まあね、杏莉ちゃん隣だし』