噛んで、DESIRE






「……それじゃ、適当に校外学習の班決めしちゃってくれ。男女4人グループらしいから頼んだぞ〜」



その日のLHR。

本日のテーマは、来週に控えた校外学習の班決めをすること。

行き先は、近くにあるテーマパークらしく、もはや校外学習というより遠足ではないかと思ったのは内緒だ。


先生が合図をして途端に、ざわざわとする教室。

ひとまず澪子を探そう、と思って立ち上がろうとしたけれど、以心伝心かのように彼女がわたしの席まで来てくれていた。


「杏莉、男女4人グループだよ? どうする?」


早速不安そうな顔を見せる澪子の気持ちは、わたしも同感だった。


わたしも澪子も、特別男の子と話す機会がなく、クラス替えをしてから約2ヶ月、クラスの男の子と話したことがあるのか怪しいほど。



< 105 / 320 >

この作品をシェア

pagetop