噛んで、DESIRE
「三原、おまえ狡いって!」
「俺らだって吾妻と仲良くなりたいんだけど!」
「狡いだと……?! 俺の勇気に乾杯しろよ!」
「だって、一匹狼の吾妻誘うの普通に諦めるじゃん……」
……吾妻くんが、馴染んでる。
それも、好意的な言葉を、たくさん掛けられている。
輪の中心にいる彼を見るのは新鮮で、それほど彼がいままで人を寄せ付けていなかったのだと実感した。
わいわいと盛り上がる男の子たちに、今度は女の子たちが反応し出す。
「え、吾妻くんが笑ってる……!」
「やば、美しすぎる」
「まって、三原と吾妻くんが同じ班なの? それは合流したすぎる」
「ずっと吾妻くんって怖いし危ないと思ってたけど……、そんなにキケンな人じゃなさそうだね」