噛んで、DESIRE
「でもさ、男女4人グループだから、ふたり女の子誘わなきゃなんねえんだよなあ」
「女の子? ふたり?」
「……吾妻、マジで先生の話聞いてないな。そう、ふたり。でも吾妻にきゃーきゃー言わない子たちが助かるかも」
にしても美形だなおまえ〜と三原くんに肩を組まれている吾妻くんは、なぜかおもむろにこちらを見た。
わたしと、隣に立っている澪子を交互に眺めたあと、彼は視線を三原くんに戻して言った。
「それってさ、だれでもいい?」
「え、もちろん同じクラスなら、ぜんぜんだれでも」
「んーじゃあさ」
突然立ち上がった吾妻くんは、教室中の視線を背負いながら、そのままなぜかわたしのほうへと歩いてくる。
そしてそのまま、あぜんとしているわたしの柔く腕を引っ張って、三原くんに言った。
「俺、この子と一緒がいい」