噛んで、DESIRE


グッと少し強めに彼のほうに引っ張られ、椅子から落ちそうになるのをなんとか踏ん張る。

って、そんなことより。



……いま、吾妻くんは、なんて言った?

“ この子と一緒がいい ”……?


え、……わたしと一緒がいいって言った?


混乱しすぎて頭が爆発しそうになる。

だって、吾妻くんが、学校でこんなに大胆に話しかけてきたから。


しかも、腕なんか引っ張ってくるから。


そんなこと、しないでほしい。

意識して、たくさん期待しちゃうから。


騒然とする教室内で、皆がフリーズする中、元気な三原くんがいちはやく解凍から放たれて叫んだ。


「え、……え?! 四宮さん?」

「そうそう」


「ん?! なに、吾妻って四宮さんと仲良いの?!」








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