噛んで、DESIRE


三原くんの疑問はもっともだと思う。

だってこんなのおかしい。


あのキケンな一匹狼で有名な吾妻くんが、わたしなんかを特別扱いするから。


わたしたちは、仲良いというか、ただの同居人だ。

いや……そっちのほうが誤解を招く、んだけど。


吾妻くんの返答を皆が待っている中、彼は少し考えるように首を傾げたあと、平然と言った。


「んー、ちょっと違う?」

「んん?! どういうことだよ!」


「まあなんか、四宮サンなら、おとなしそうだし良いんじゃない?ってコト」

「適当だな……?!」


頭を抱えている三原くんは、まだ混乱しつつもわたしに尋ねてくる。


「えっと……四宮さんは、大丈夫? もちろん、断ってもらってもいいんだけど」



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