噛んで、DESIRE
「……ということで、クラスの出し物はフォトスポットに決まりました!」
突然ぱちぱちと拍手が起きる。
どうやらわたしたちが口論しているあいだに、事が大きく進んでいたらしい。
わたしも慌てて拍手をすると、隣で吾妻くんが不思議そうに首を傾げていた。
「フォトスポットって、どういうやつ?」
「たぶん、SNSに投稿したりすることが出来るおしゃれなフォトブースを作るんだと思いますよ」
「ふーん、なるほどね」
飾り付けが大変だけれど、フォトスポットは毎年大人気で、お客さんが絶えない。
だけれどひとつ問題点がある。
それは、他のクラスと似たようなブースにしてしまうと、お客さんが減ってしまうこと。
それだけは避けないと……と思っていると、同じことを考えていたのか、三原くんが元気よく手を挙げて言った。