噛んで、DESIRE


……これが、変わるチャンスなのかもしれない。


パッと顔を上げれば、クラスの皆んなは優しい表情でわたしの言葉を待ってくれていた。


その温かさに、思わず泣きそうになる。

……変わるなら、いましかない。



「……自信は、ぜんぜんないけど、精いっぱい頑張ります」


澪子と目があった。

彼女は驚いたように目を見開いていて、そのあと、嬉しそうに手を叩いてくれた。


「こちらこそ、ビシバシ指導お願いします! 四宮さん!」

「頼りにしてるよ〜!!」


ぺこりと頭を下げると、クラスの皆んなが拍手をしてくれる。

隣をちらりと見れば、吾妻くんが口角を綺麗に上げて微笑んでいた。




その表情は『よくできました』と言っているようで、なぜか一瞬……泣きそうになったのは彼には内緒だ。




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