噛んで、DESIRE
「……吾妻くん、集中出来ないのでやめてください」
キッと睨んでそうぶつければ、彼はそんなの痛くも痒くもないと言いたげに首を傾げる。
……そんな可愛い顔したって、無駄なんだから。
そうこうしている間に、彼の手がお腹を這ってきて、歯止めが効かなくなっていく。
「……ひゃっ、」
彼のしなやかな手が肌を撫で、思わず声を漏らす。
恥ずかしくなって慌てて自分の手で口を覆うと、持っていたお花がぱさりと床に落ちた。
「あ、吾妻、く……っ」
「んー?」
……んー?じゃなくて!
わかってて、わざとやってる。
だって吾妻くんの声は、かなり愉快そうに響いているから。
「あれ、杏莉ちゃん生け花はもういいの?」
「だって、……っ、吾妻くん、が」
「へえ? 俺が何?」