噛んで、DESIRE


とぼけるのもいい加減にしてほしい。

そう思うのに、触れられて身体が熱くて、どうしようもなく溶けそうになる。


誰か助けてほしい。

吾妻くんという猛毒から解放されるために、有効な手段を教えてほしい。


でもそれ以上に、吾妻くんがくれる甘さを実感して底なし沼に溺れてしまう。


彼はわたしの鎖骨にキスを落とし、もちろん片手はわたしの服の中。

どこに集中したらいいのかわからなくて、頭がパンクしそう。


「吾妻く……っ、だめ、です!」

「んーん、だめじゃない」


吾妻くんは、きっと怒ってる。

わたしが彼に構わなかったから。


でもだからって、こんなの狡い。

抵抗出来ないのに、ひどいと思う。





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