噛んで、DESIRE

好みはマリーゴールド








────文化祭当日。

ドキドキとワクワクが混ざって、緊張MAXの状態で文化祭がやってきた。


「うわ〜! やっぱり、四宮さんすごいよ! こんな綺麗な生け花ができるなんて……!」


入り口に飾った自分のお花たちを眺めていると、後ろから九条さんが感嘆したように、そう息を漏らした。


「九条さん……。ありがとう」

「本当のことだもん! これでうちのクラスがナンバーワンだね!」

「うん、そうなったら嬉しいね」

「四宮さんがいてくれなかったら、クラスもまとまらなかっただろうし、感謝しかないよ……」


そんなことないと言いたくなる。

だって、クラスにはもともと団結力があったし、このコンセプトにしなくても上手くいっていたと思うから。


でも手放しに喜んでくれる九条さんを見ると、少しは役に立てたのかなあ……と嬉しくなった。


< 216 / 320 >

この作品をシェア

pagetop