噛んで、DESIRE
そうか、3歳上なんだ……。
じーっと吾妻くんを見ていたら、彼は怪訝そうに目を細めた。
「なに? 俺のことオジサンとか思ってる?」
「え……?! 思ってないですよ」
「ふうん? ホントかなあ」
そう言いながら、じりじりと近づいてくる吾妻くん。
慌てて体の前で、両腕をバッテンさせてガードする。
「……なに、この手は」
「えっと……キケンな吾妻くんから、ガードして、ます」
「はは。俺キケンだと思われてんだ?」
「そりゃそうですよ……」
吾妻くんはおもしろそうに笑ってる。
そしてわたしのバッテンさせている右腕を柔く掴んで、にこりと口角を上げた。
「でもさあ、こんなのガードにもなってねえよ?」
グイッと引き寄せられ、突然彼の顔が目の前に現れた。
あまりにも美麗すぎて、クラッとする。
陶酔にも等しい。それくらい、美しい。