噛んで、DESIRE

儚い夢心地









朝起きても、夜寝るときも、吾妻くんがそばにいなくなって約2週間が経った。

何も言わずに消えた彼の温もりを忘れそうになるのが怖くて、最近はよく眠れていない。




「永遠の高校生って、あながち間違ってなかったのかもねえ」


クラスメイトが吾妻くんの噂をするのも減ってきた今日この頃。

久しぶりに聞いたフレーズに耳が反応して、澪子とお話をしながら聞き耳を立てた。



「あたしもそう思う。だって文化祭の日を最後に突然学校に来なくなったもんね……吾妻くんってば」

「せっかくクラスが団結したときだったのに、本当に寂しいよね」

「おかげで三原がぜんぜん元気ないのがなあ……教室盛り上がらないよ」




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