噛んで、DESIRE

「まあザンネンながら、１ヶ月続いたか怪しいのが何人かとかだけど」


過去を振り返るのが嫌いそうな彼は、思ったよりも自分のことを喋ってくれる。

わたしが黙ってしまったからなのかもしれないけれど。


きっと吾妻くんの元カノさんは、皆んな綺麗な人。

大人っぽくて、つまらないヤキモチなんか焼かないんだと思う。


いまでさえこんな感じなのだから、わたしと同年齢のときは遊び放題だったに違いない。


……きっと、モテモテだ。

考えれば考えるほどムカムカしてきて、相変わらずつっけんどんな返事をする。


「……、そんな短期間で別れるなんて、吾妻くん何したんですか」


「はは、わかんね。いまより最高にクズだったんじゃない？」

「自分で言わないでください……」