噛んで、DESIRE


澪子とは幼稚園の頃からの幼なじみで、ずっと仲が良い。

彼女のご両親はアパレル会社を経営していて、澪子が会社を継ごうとしているのは本人の意思だ。


さばさばしていて話しやすく、でもとても心配性。

そんな彼女の優しさには、助けられてばかりだと思う。


澪子がわたしと同じ小学部からエスカレーター式で通っていた名門私立高校に進学せずに、比較的偏差値の高いこの公立高校に入学したのは、わたしが進路を変えたせいだ。

『わたしは杏莉が大切な親友なの! 勝手にわたしがしたことだから、引け目に感じないでほしい』


わたしはそう言ってくれた澪子がカッコいいと思うし、何より感謝していた。




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