好きだなんて、【完】
「えっ、?」
「俺はしずくのことが好きなんだよ」
…今、なんて?
「好きって、どういう」
あれだ、幼馴染としてってことだよね。
もしかして慰めてくれてる?
「ずっとしずくしか見えないくらい、物心ついた時から好きだよ」
見たことのない風季の真っ赤な顔
雨音は知らぬ間に耳に入らなくなって、
代わりに自分の心臓の音が体を揺らした。
いくら馬鹿な私でも理解した。
「風季が私のこと…?」
「答えはすぐじゃなくていいから、俺がしずくのこと好きだっていうのは分かってほしい。」
そんなこと真剣な顔で言われて、
胸が痛くなるだけだった。
どうしたらいいかもわからなくなって、
私っていつもどんな顔して隣歩いてたっけ。