好きだなんて、【完】


私が好きなのは凪くんだって、伝えたいのに突き放すようなその温度がいつもひしひしと伝わってくる。




振られるのは目に見えてる。





告白なんてしてしまったら関係だって悪くなる。ああ、でももう悪いし、言ってしまったほうが楽なのかな。







「ま、俺には全く関係ないけど。」






私の答えは待たずに凛とした表情でそう告げる凪くんは、モノクロに見えた。



「…どうして」



「は?」



「どっ、…どうしてそんなに、私のこと…嫌いなのっ…?」




狭い喉を通って出たずっと聞きたかった言葉



理由だけでも聞きたい。



怖くて震えてるけど、六階に着くまでは逃げ場のない2人きりだから




絡む視線は今までにないくらいに、揺れていた。

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