好きだなんて、【完】

「え、なにモデルにでもなるの」




「単に断れないだけだと思うよ」




テレビに出演してから風季の人気は日に日に増していて、景色しか載せていないインスタですら一万人弱のフォロワーがいる


クラスには風季を見にくる人もたくさんで、他校の人たちもうちの学校に見にくるほど。




まるで本当に芸能人




凪くんの弟っていうのと、風季の人並み外れたルックスと人当たりのいい性格で、いつも女子に囲まれている。




「しずくはさ、あんな風に霧沢が女子に囲まれてても苦しくならないの?」




風季に目を逸らさないまま、あーちゃんが聞く



「…ならないかな。」




「じゃあ答えは出てるんだね。」






穏やかなその声に、静かに頷いた。




もう答えは決まっているのに、言えない私は最低の幼馴染だ。

< 133 / 161 >

この作品をシェア

pagetop