好きだなんて、【完】
「え、なにモデルにでもなるの」
「単に断れないだけだと思うよ」
テレビに出演してから風季の人気は日に日に増していて、景色しか載せていないインスタですら一万人弱のフォロワーがいる
クラスには風季を見にくる人もたくさんで、他校の人たちもうちの学校に見にくるほど。
まるで本当に芸能人
凪くんの弟っていうのと、風季の人並み外れたルックスと人当たりのいい性格で、いつも女子に囲まれている。
「しずくはさ、あんな風に霧沢が女子に囲まれてても苦しくならないの?」
風季に目を逸らさないまま、あーちゃんが聞く
「…ならないかな。」
「じゃあ答えは出てるんだね。」
穏やかなその声に、静かに頷いた。
もう答えは決まっているのに、言えない私は最低の幼馴染だ。