好きだなんて、【完】














「いいね、風季くん!その調子!」





広いスタジオに響くカメラマンさんの声



シャッターを切る音、しきりに光るフラッシュ、その中心で明るく笑う風季





やっぱりポテンシャルが違うよ




すごい様になってて、輝いている。





…こんなかっこいいのに、胸がならない私は可笑しいのかな。



「じゃあ次は髪、かき上げてみようか」




「はい」




愛想のいい風季は一瞬でスタッフさんに気に入られて



指示通り髪をかきあげると、女性スタッフから歓声が上がる。



なんだ心細いって言うからついてきたのに、意外とるんるんじゃん。






「お疲れ様です」




その声と姿に一気に上がる歓声





半年ぶりに見るその姿




見間違えるわけがない、





息が止まるかと思った。




にこやかに登場したのは、凪くんだった。



まさかのサプライズ登場



無性に泣きそうになるくらい、胸が痛い。



「うわっ、兄貴っ」



「おお!凪くん!」




カメラマンの人も、スタッフさんたちも知り合いの人たちが多かったみたいで和やかになっていく


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