好きだなんて、【完】
「でも、」
せっかくあーちゃんが凪くんを忘れるために誘ってくれたんだし。
私だって前に進めるかもしれない。
「お前みたいなやつ、誰が相手すんの?」
「っ、」
バカにしたような含み笑い
何も言えずに俯く私
「ちょっと、いくら凪でもしずくにそんな言い方許さない!」
ずっと見ていたお姉ちゃんが、ついに凪くんに怒鳴り込んだ。
…お姉ちゃんすごく怒ってる。
「ごめん」
すぐに謝った凪くん。
だけどこれはきっとお姉ちゃんへの謝罪だ。
私のことなんて、なんとも思ってないんだから。
辛くなんてない、凪くんは悪くない、こんな地味な私が相手されるわけないし、当たり前のことを言っただけだもん。
そりゃ、少しは胸が痛むけど。