好きだなんて、【完】


「いーから。着いてこいよ」



「いやっ、」




どこに連れて行かれるの?


怖くて力が入らなくなって来た。



このまま引っ張られていってしまうんだ。



そう思った時、



引っ張られていた方と逆に効力がかかって、するり解けてあっという間に彼と離れて、








何者かの力によって路地裏に連れ込まれる








「っ、え」







パニックの中、見上げると、



全身黒ずくめで、マスクをしている



暗闇の中でも誰かなんて、一目瞭然だった。







「なっ、凪くんっ…?」









なんで!?



「黙れ」



「なんでこんなっ、」



こんなところに凪くんがいるの?!



「あれ?しずくちゃーん?」



さっきの彼がほろ酔いの様子で私を探している声がした。



また震え出す体



その瞬間、



「っ、」



ふわり、まるで大切なものを包むように凪くんから抱きしめられた。



どきどき胸がなって、体が熱い



久しぶりの凪くんの香り
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