好きだなんて、【完】

それは校内では有名なこと。



一年生の時は風季と違うクラスだったから関わることが少なかったけど、二年生になって同じクラスになったことで私と風季が幼馴染であることが知れ渡り…


お姉ちゃんのことも、凪くんのことも関係が芋づる式にバレてしまったらしい。



「…だって、しずくちゃんのほうが貰ってくれそうじゃん」



「…まあどっちにしろ無理だから。悪いな!」



風季がそう謝ると、残念そうに去っていった女の子たち。




はぁ、よかった。




「ごめん、ありがとう」



「あんなのてきとーに嘘ついときゃいんだよ。」



呆れ顔の風季



「う、うん」



「だから、舐められんの。」



「すみません…」



私は、風季みたいに咄嗟に嘘をつくことなんてできないし。



強く物を言えない性格だからこうやって利用されやすい。



小さな頃からその度に風季が助けてくれていた。



< 4 / 161 >

この作品をシェア

pagetop