好きだなんて、【完】

その瞬間お辞儀をしたままの体制の私に、突発的な圧がかかり後ろへ押し倒されてしまった。



「痛っ、」



後ろにあった茂みに身が埋まった。


…どうして、こんな目に遭わなきゃいけないの?




「ふんっ!」



怒った様子で、そのまま去っていってしまった。




はぁ、散々だ。



なんとか体制を立て直して手についた土をはらう。



「イヤリング…がない、」




さっきまでついていたはずのイヤリングが無くなっていた。



どうして?



凪くんからもらった大切なものなのに。



絶対この茂みの中でなくしたはずっ…




「ない…、どうして…」




どれだけ、茂みをかき分けてもない。



お願いだから出て来てよ…



スマホのライトで照らして見ても、何も見当たらない…















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