好きだなんて、【完】

思い返せば、私は昔から凪くんのことが大好きで、常について回っていた。



物心ついた頃からお姉ちゃんは子役として芸能界で活躍して多忙だったし、凪くんと風季に混じって遊ぶことが圧倒的に多かった。


昔からぶっきらぼうな性格だったけど、なんだかった言っていつも私のことを受けて入れてくれて、優しかった。




数年前のホワイトデーのこと




「しずく」




まだ中学生だった私が帰ろうと校門を出ようとしているも、中学校の校門の前に、高校生の制服を着た凪くんの姿があった



ブレザー姿の凪くんかっこいい…




「凪くんっ…どうしてここに?」




「来ちゃダメなわけ?」




意地悪に微笑んで近づいてくる




「ダメじゃないけど…」




ここは凪くんの母校でもあるわけだしね?



「けど?」




「み、みんな凪くんのこと見てるから…」



この街で有名なイケメン、凪くんが母校に現れるだけでみんなの視線を集める



…それがなんか気に食わない



「俺はしずくに渡したいものがあって来たんだよ」





「な、なに?」





だからってわざわざ来るなんて珍しい…



家だって隣なのに。まあでも嬉しいけど


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