好きだなんて、【完】
分かってるけど、あーちゃんがせっかくしてくれたんだもん。
私ってそんなおしゃれとかするようなキャラじゃないし。風季から見たらおかしいよね。
「に、似合ってるから可愛いって言ってんだろっ」
顔を真っ赤に染めて、あーもうと髪を乱しながら机に伏せる風季
風季が私に可愛いって言ってくるなんて…
「なっ、何、突然!照れるなぁ」
「あんまり可愛くするんじゃねーよ」
「へ…」
髪を乱しながら、熱い目と視線が交わった
「みんながお前のことかわいいって言ってんの気に食わない」
なっ、そんなこと…
「しずくがかわいいのなんて俺だけが知ってたらいいんだよ」
その言葉は真っ直ぐ私に突き刺さり
伝染するように私の頬も赤く染めた
体の底からブワッと込み上げる何かがたまらなくって、思わず席を立った