好きだなんて、【完】
「なっ、なにそれ…!わ、私トイレ!」
そう言ってわけもわからないまま、教室を飛び出した。
びっくりした、風季があんなこというから
動揺して、何ドキドキしてんの私っ
ただ顔の火照りをかき消すために、廊下を走った。
ーーーーキンコンカーン…
「あ、」
それはもちろん授業の始まりを知らせるチャイム
…忘れてた
急いで教室に戻ろうと、Uターンして廊下を走ろうとした時、
「っすみませ、」
何かに抱き止められる感覚
本能的に早くなる鼓動と、この香り
「あぶねえ」
スタッフさんに囲まれて、不機嫌そうな凪くんの姿
「な、凪くん…!」
学校に凪くんがいる光景が不自然すぎる
抱き止めた私をそっと離して
「なんでそんな顔真っ赤なわけ」
見透かすような視線
「これは…」
言い訳を探すけど、誤魔化したってバレそうで、
ここ数分の出来事に情報量が多くて、正常に頭が働かない